お茶の間の風景を変えた「赤い彗星」ファミコン
1980年代前半、日本の遊びの王様はまだベーゴマやメンコ、あるいはゲームセンターのインベーダーゲームだった。しかし、1983年7月15日、そのすべてを過去にするハードウェアが登場した。任天堂の『ファミリーコンピュータ』だ。
当時の競合機が5万円前後した中、14,800円という衝撃的な価格。そして、アーケードの名作『ドンキーコング』がそのまま家で遊べるという体験は、当時の子供たちにとって魔法以外の何物でもありませんだった。カセットを差し込み、映らないときは端子に息を吹きかける(今思えばNG行為ですが)、あの独特の儀式。ファミコンは単なる玩具ではなく、日本中の家庭に「デジタル」を持ち込んだ最初の文化装置だったと言える。
書き換え可能という大発明:ディスクシステムの登場
1986年には「ディスクシステム」が登場した。フロッピーディスクのようなメディアを使用し、500円で中身を書き換えられるという、当時としては超先進的なシステムだった。ここで産声を上げたのが『ゼルダの伝説』や『メトロイド』といった、後に世界的なヒットとなるタイトルだ。特にゼルダでの「セーブができる」という体験は、ゲームを「一回きりの挑戦」から「長い旅」へと変貌させた。
1980s TIMELINE
ゲーム&ウオッチ発売
任天堂が初の携帯液晶ゲーム機を発売。ボール、ファイアなどが大ヒット。
ファミリーコンピュータ登場
7月15日発売。日本中の家庭にビデオゲーム文化が浸透し始める。
スーパーマリオブラザーズ社会現象
横スクロールアクションの完成。世界的なマリオブームが巻き起こる。
ドラゴンクエスト発売
JRPGの歴史がここからスタート。ディスクシステムも同年登場。
ゲームボーイ発売
「テトリス」とともに、ゲームを外へ持ち出す新時代へ。
1980年代を象徴する3大マスターピース
スーパーマリオブラザーズ (1985)
「横スクロールアクション」というジャンルを確立。隠しブロックやワープゾーンなど、プレイヤーの好奇心を刺激する仕掛けが満載で、世界的な社会現象となりた。
ドラゴンクエスト (1986)
「RPGをお茶の間に」を合言葉に、難解だったシステムを誰でも遊べる形に翻訳。発売日に長蛇の列ができる「ドラクエ現象」は当時のニュースの定番だった。
ゲームボーイ (1989)
80年代の締めくくりに登場。「テトリス」とともに、ゲームを家から外へ連れ出した。モノクロ画面ながら、その堅牢さと電池持ちは現代でも伝説的だ。
技術の限界に挑んだドットと「ピコピコ音」の美学
今の美麗なCGと違い、当時は「同時発音数3音+ノイズ」という極限の制約がありた。しかし、その制約こそがクリエイターの想像力を爆発させた。近藤浩治氏が生み出したマリオのBGMや、すぎやまこういち氏による重厚な序曲は、限られたリソースの中で「いかに感情を揺さぶるか」を追求した結果生まれた、時代を超える名曲だ。
ハードウェア別・名作&マニアック選
ボール / ファイア
任天堂任天堂の歴史を救った液晶ゲーム。単純ながらも中毒性の高い「お手玉」や「火事場救助」は、世界的な大ヒットを記録した。
ドンキーコング / ゼルダ
任天堂「マルチスクリーン」という画期的な折りたたみ式。十字キーの初採用や、後のDS・3DSへと繋がる機能が満載だった。
マンホール
任天堂穴を塞いで通行人を守る、タイミング重視のアクション。液晶画面ならではの演出と限界に挑んだ、愛着の湧く一作。
ドラゴンクエストIII そして伝説へ…
エニックスJRPGの完成形。社会現象を巻き起こしたシリーズ最高傑作。職や昼夜の概念など、驚きに満ちていた。
スペランカー
アイレム「史上最弱の主人公」として有名ですが、実は緻密な操作が求められる本格派。段差で死ぬ緊張感がクセに。
スーパーマリオブラザーズ
任天堂横スクロールアクションの金字塔。滑らかな操作性と発見に満ちたコース設計は、現代の基礎となりた。
グラディウス
コナミアーケードから家庭用へ。パワーアップを取り分ける戦略性と、美麗なグラフィックが衝撃だった。
アイスクライマー
任天堂上へ上へと登り続ける爽快なアクション。2人プレイでの共闘と、足場の奪い合いが熱い一作だ。
アトランチスの謎
サンソフト理不尽なワープと難易度。しかしその「解けない謎」に挑む大勢のプレイヤーを生んだ伝説のソフト。
ギミック!
サンソフトファミコン末期の「物理演算」の奇跡。星を投げて足場にする独自のアクションと、圧倒的なサウンド表現はもはや芸術。
メタルストーム
アイレム「重力を反転させる」ロボットアクション。天井と床を瞬時に切り替えるスピード感と、精密なドット絵がマニアを虜に。
ホーリー・ダイヴァー
アイレム非常に高い難易度と、重厚な世界観。魔法を使い分けて進む、歯ごたえ抜群の「知る人ぞ知る」高難度アクション。
ポートピア連続殺人事件
エニックス不朽の名作ミステリー。コマンド選択式アドベンチャーの基礎を築き、物語の深さを提示した。
MOTHER
任天堂「エンディングまで、泣くんじゃない」。糸井重里氏による現代劇。ゲームが心に触れることを証明した。
ゼルダの伝説
任天堂ディスクシステムの特性を活かしたセーブ機能と、圧倒的な自由度。謎解きアクションの原点だ。
愛戦士ニコル
コナミコナミ製の隠れた名作。アイテムを集めてパワーアップするバランスが絶妙で、BGMも秀逸なSFアクション。
メトロイド
任天堂探索型アクション「メトロイドバニア」の始祖。孤独な惑星での探索と、衝撃の結末が話題になりた。
悪魔城ドラキュラ
コナミ重厚なゴシックホラーの世界。ムチを武器に進むストイックな難易度と、研ぎ澄まされたBGMは絶品。
ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者
任天堂本格ミステリーの先駆け。不気味な雰囲気と緻密なシナリオで、当時の子供たちを震え上がらせた。
テトリス
任天堂「いつでもどこでも」遊べるパズルの王様。通信ケーブルを使った対戦も熱く、ゲームボーイの普及を決定づけた。
魔界塔士 Sa・Ga
スクウェア神を倒すという衝撃の物語。肉を食べて進化する独特のシステムが、当時の少年たちを魅了した。
スーパーマリオランド
任天堂GB本体と同時発売された名作。潜水艦や飛行機に乗るマリオなど、独自のギミックが新鮮だった。
カエルの為に鐘は鳴る
任天堂任天堂の隠れた名作。独特のコメディタッチな物語と、アクション・パズルの融合が心地よい秀作だ。
R-TYPE I/II
アイレム / ハドソンアーケードの衝撃を忠実に再現。巨大なボスと緻密なパターン構築。PCエンジンの圧倒的スペックを証明した一作。
PC原人
ハドソン「頭突き」を武器に戦う愛らしいキャラクター。PCエンジンの顔ともいえる、完成度の高いアクションシリーズ。
スプラッターハウス
ナムコホラー映画のような不気味な世界観。バイオレンスな描写が、当時の子供たちに強烈なインパクトを与えた。
天外魔境 ZIRIA
ハドソン / レッド世界初のCD-ROMゲーム。生楽器のBGMと声優によるボイス。ゲームが「メディア」になった瞬間だった。
ソニック・ザ・ヘッジホッグ
セガ世界を駆け抜けた超速アクション。セガの顔となり、海外で圧倒的な人気を博したスピードの極致。
アレックスキッドのミラクルワールド
セガセガの愛すべきマスコット。「じゃんけん」でボスを倒す独特のシステムと、高難易度の探索が魅力の名作。
ファンタシースター (1987)
セガ3Dダンジョン、美麗な演出、壮大なストーリー。当時のファミコンを上回る先進的な体験を提供した伝説のRPG。
ザ・スーパー忍
セガ古代祐三氏による神がかったBGMと、忍びならではのストイックなアクション。メガドライブを象徴する一本。
メタルギア (1987)
コナミ「隠れる」ステルスゲームの原点。ハードウェア制限が生み出した逆転の発想が、世界中のゲームを変えた。
ガルディック
コンパイル弾幕の嵐を潜り抜ける超高速シューティング。MSXのスペックを限界まで引き出した滑らかな動作は圧巻。
ドラゴンクエスト / II (MSX版)
エニックスPCユーザーにもJRPGの衝撃を。ホビーパソコンならではの高画質なグラフィックで楽しめる貴重なバージョン。
王家の谷 (King's Valley)
コナミピラミッドを探索するパズルアクション。ツルハシを使った地形の利用など、知的な遊びが人気だった。
魔城伝説 / 夢大陸アドベンチャー
コナミコナミが誇るMSXの名作。美麗なBGMと、ハードの癖を掴んだ滑らかな動作は、職人芸の極致だった。
【コラム】今あえてレトロゲームを遊ぶ贅沢
最近は「ゲームセンターCX」などの影響もあり、レトロゲームはブームを超えて一つの文化として定着している。Nintendo Switch Onlineなら、当時の名作をどこでも手軽に遊ぶことができる。もし当時の実機のような感触を味わいたいなら、Amazon等で「ニンテンドークラシックミニ」を探してみるのもおすすめだ。インテリアとしても優秀で、プレゼントにも最適だ。
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